2019年6月――
市山ウォーキングマップの一部入手に成功した探検隊一行は
『岩屋権現』を発見するべく林道へのアタックを試みたが
ド軽装だったこともあり、林道の入口だけを確認して“無念の撤退”を余儀なくされた。
⇒第6次探検記録を参照
あれから4カ月。
まだまだ里山四天王が跋扈する人里離れた山奥に再アタックを試みるべく、
事前踏査を開始したのだった。
ウシロヤマ・“イワヤ”ゴンゲンを確認せよ
まずお断りをしなければならない。
この日携行したデジタルカメラのSDカードにエラーが出て、
デジカメで撮影した写真データがすべて“とんでしまった”のだ。
今回はスマホで撮影した僅かな写真でのレポートとなることをご了承いただきたい。
GO▶︎つくる大学の講義として探検を実行する際、
必ず事前に現地の安全確認などを行うようにしている。
今回の探検も例に漏れず、事前踏査を行う予定だったが、
通常業務や雨の影響などで日程がなかなか決まらず、
探検二日前の“夕方4時から”現地踏査を行うことになった。
時は10月。日が暮れるのが早くなっていた。
このただならぬ“探検への入口感”、お分かりいただけるだろうか。
もうお腹いっぱいである。
が、前回のように引き返すわけにはいかない。
先ほど“夕方4時から”と書いたが、これは旅団長と大尉の集合時間で、
岩屋権現の入口に到着したのは夕方4時半をまわっていた。
すでに後手を踏んでいる。
――大丈夫だ、いつも通りだ(色んな意味で)
自分たちを無理矢理納得させて、
「ご安全に」
合言葉を口にし、林道へと入っていく。
すでに暗い。もう太陽は傾き始めている。
雨上がりでわずかに陽が差し込んでいるが、湿度が高く、正直気味が悪い。
そして当たり前なのだが、まったく人けがない。
薄暗いし、ジメジメしている。
あちこちでいろんな物音がする……。
(とっとと確認して帰ろう)
言葉は交わさなかったが、旅団長と大尉は同じ思いだ。
入口から歩くこと30分。
森の中ということもあり、辺りはかなり暗くなってきた。
肝心の岩屋権現が見つからない。
途中で見逃したのでは?
別のルートがあったのでは?
もっと奥にあるのでは?
考えられる可能性はいくつかあったが、日没が迫っている。
途中、足元の悪い箇所がいくつかあり、来た道を戻ることを考えると完全に日が暮れると一気に危険度が増す。
これ以上の深入りは、最悪の場合二日後の探検に支障をきたす。
……ここまでか。
日没サスペンデッド。
泣く泣く引き返した。
過去最高難易度の探検へ!
この日、岩屋権現の場所やその様子を確認することなく下山。
二日後の探検は、リアルガチで“行ったことのない場所に行く”ことになった。
(やべえよ、やべえよ……)
もう不安しかない。「ご安全に」どころの話ではない。
我々の探検は“安全第一”だ。(え?)
旅団長と大尉だけでなく、新入隊員も参加する過去最高難易度の探検が目前に迫っていた。
入口まで戻ったころにはほぼ日が暮れていた。
まるで、二日後の探検を暗示するかのような、不気味な夕暮れだった(ただし写真なし!)
おまけ(後日談)
実はこの岩屋権現、2019年9月の地元紙で取り上げられていたのだ。
巨石ハンターの“須田郡司”さんが連載されていて、探検のヒントがあるかもしれないと、新聞がストックしてある江津市図書館へ乗り込んだ。
須田さんの記事によれば、
・岩屋権現までは入口から約1時間くらいかかる
・地元の人の案内がないと辿り着くのは難しい
とのことだった。
入口から30分しか進まず、地元の人の案内もなければ、そりゃ見つかる訳がない。
え? 新聞記事の存在を知っていたなら、事前に調べてから行けばいいのにウマシカじゃないかですって?
……返す言葉もございません。
to be continued…