2020年8月30日に開講した講義「KAGURAプロジェクト」の受講生より、講義レポートが届きました!!
「神楽」
「サイヨサイヨサアト、睦月花待つ、空も霞みて、如月うぐいす、弥生さくらの、岩戸山、神楽催馬楽、太鼓の音は、聞きおもしろし、ハリヤトオ
「サイヨサイヨサアト、卯月卯の花、五月さみだれ、水無月橘、岩戸山、神楽催馬楽、太鼓の音は、聞きおもしろし、ハリヤトオ
「サイヨサイヨサアト、文月七夕、葉月明月、長月白菊、岩戸山、神楽催馬楽、太鼓の音は、聞きおもしろし、ハリヤトオ
「サイヨサイヨサアト、時雨神無月、霜月朝霜、師走雪霜、岩戸山、神楽催馬楽、太鼓の音は、聞きおもしろし、ハリヤトオ
演目「塩祓い」冒頭部分
一斉に始まる楽器の音、そして滑らかかつ抑揚のある声で読み上げられる塩祓の冒頭の歌。
島根県出雲市で生まれ育って初めて「神楽」というものに触れた時の感動は、数日経った今でも鮮明に思い出すことができます。
GO▸つくる大学『KAGURAプロジェクト~知ればもっとたのしめる、石見神楽のものがたり~』 この講義に参加できたことは、私の人生19年の中でベスト5に入るくらい「最高だった!」と思えるものでした。タイトルの通り、神楽の面白さを実感して、これからも応援していきたいと思いました。
「神楽の歴史」
午前中の講義では、生徒たちが神楽の歴史や神話の話をしてくれました。私の父が神話好きということもあり何個か聞いたことのある神話もありましたが、より詳しく話してくれる内容に聞き入ってしまい、あっという間に時間が過ぎてしまいました。マニアックな内容でしたが、すごくわかりやすくて、聞いていて楽しかったです。
その中でも、“塵輪”という神話に惹かれました。まず今回の講義で、神話が災害に関係しているということを知りました。塵輪は台風を示しているそうです。簡単に言うと、天皇とその家来である高麻呂が、塵輪という大悪鬼を打ち倒すというストーリーで、そこで出てくる大悪鬼というのが赤鬼と白鬼です。これは古代中国の陰陽五行説からくる方角と関係しているようで、北が黒、東が青、南が赤、西が白と言われています。台風は南西から来ることが多いので、赤と白が使われているそうです。
私の父も知らないであろう話を聞けたことで神話への新たな興味を湧き立たせてくれました。この知識を父に話して神話の面白さや神楽の奥の深さを共有していきたいです。
「鑑賞」
午後は実際に神楽を鑑賞しました。江津市都野津町から贈られた幕の表彰式を終え、続々と袴を着た生徒たちが楽器の準備を始めていました。ワクワクしながら待っていると、最初の演目である「塩祓い」がスタートするコールがありました。大太鼓の近くで座っていたのですが、大太鼓を叩く演奏者が歌を歌うことを知らなかったので、歌と大太鼓の迫力に体を少し後ろに引かせてしまいました。続いて幕から煌びやかな衣装を着た演者が順々に出てきて、その衣装の豪華さにも驚きました。午前中に説明された神話を思い出しながら見ていると、なぜか感動してきて目が潤んだのを覚えています。私の言葉で言い表すのは難しいですが、一日だけで神楽の面白さに気付いた気がしました。
「塵輪と天神」
一番印象に残っているのが「塵輪」と「天神」です。塵輪と天神はどちらも戦いがメインになります。戦っているだけあって、勢いある舞に終始引き込まれてしまい、面白いなというよりは尊敬するレベルでした。その時すごいなと感じたのは、想像以上に激しい舞だったということです。凝った装飾のある衣装を着てあれだけの運動量はもはやスポーツなのではないかと感じました。手には武器を持って頭にも被り物があり、体幹がしっかりしているからできることだと思ったし、練習も足から指先、頭まで神経を使っているのかというのを考えると、神楽は意外とハードであるということがわかりました。
演者たちの真剣に舞っている様子はかっこよかったです。なんとなくですが、楽しそうに舞っているような気もしました。これが神楽の面白さでもあり、魅力でもあるのかなと思いました。
「感想」
私は今年4月から江津市のポリテクカレッジに通い始めました。いままで島根県西部の方には縁がなく、私の周りでは「神楽」という単語をあまり耳にすることがありませんでした。私自身、神楽に対しての関心自体ありませんでしたが、今回の経験で神楽の面白さを知り、島根の伝統芸術に触れることができて本当によかったなと感じています。この感動を友達や家族に話して神楽の面白さを広めていきたいなと感じました。
今回、この講義を紹介してくださった江津高校の生徒さんに感謝いたします。素敵な神楽をありがとうございました!12月20日の神楽プロジェクトも楽しみにしています!!